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「イブン・バトゥータと旅する世界史」の実践と世界史教育④

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T (プリント№1を配布)この地図には、イブン・バトゥータが訪れた都市の名前が書かれてあります。ただし、重要な都市の名前がぬけています。10・16・35・46・50のどの番号でもよいから都市の名前がわかった人は手をあげなさい。(早い人から黒板に都市名を書かせ、正解の生徒には平常点として1点プラスする。)
S 正解(10はアレクサンドリア、16はメッカ、35はデリー、46は北京、50はバグダッド)
T 彼の生まれた所はどこですか。
S モロッコのタンジャです。
T 彼は22歳のときに大旅行に出かけますが、最初に彼がめざした場所はどこですか。
S メッカの巡礼です。
T 彼は51歳のときにモロッコのフェズに住むようになったが、何年間旅行をしていたのですか。
S 約30年間です。
T 彼の旅行の目的は、いったいなんだったと思いますか。
S 黄金を求めて。
S 香辛料を求めて
T 彼は、そのような経済的なものを求めたのではなかったのです。
S 巡礼が目的。
T たしかに最初の目的は巡礼であった。しかし、それだけでは中国やアフリカ・ヨーロッパに行った理由がわからない。おそらく、彼には未知の世界を知りたいという冒険心があり、それがこのような旅行に向かわせたのではないかと私は考えています。
T また、彼はどうしてこのような大旅行ができたのでしょうか。
S 彼はお金持だったから。
S 王様の援助を受けていたから。
T 彼はお金持でも、王様の援助を受けたわけでもなかった。彼はイスラーム教徒であり、彼が旅行した地域は中国をのぞいて、当時はイスラーム世界だったので、そこでは彼の使うアラビア語が通じたのです。また、この世界は商業貿易が盛んであり、また人の往来も盛んで、各地で知り合いができ、その人たちを通して旅行が可能となったのです。つまり、イスラーム世界の広がり(ネットワーク)が彼の旅行の条件であったのです。
T 以上が私の解答ですが、それは本当に正しいのか、イブン・バトゥータと旅しながらそれを検証していきましょう。
by YAMATAKE1949 | 2012-01-07 12:52 | 授業実践