第23回世界史講座のまとめ①(ヨーロッパ各国のルネサンス)
2 ヨーロッパ各国のルネサンス
15世紀中ごろ、ドイツのグーテンベルクが活版印刷を実用化すると、多くのギリシア・ローマの古典作品が印刷され、人文主義の研究が広まった。
イギリスのトマス・モアは「ユートピア」という作品の中で、「羊が人間を食べるんですよ」と、当時の第一次囲い込み運動(エンクロージャー)を痛烈に批判した。それは、当時イギリスの地主が、羊毛を得るために土地を囲い込み、小作人を土地から追い出したことに対する批判であった。
また、教会の堕落を批判するネーデルランドのエラスムスの「愚神礼讃」、人間のあり方を考察したフランスのモンテーニュの「随想録」、スペインでは騎士道精神を風刺したセルバンテスの「ドン・キホーテー」、イギリスでは演劇作家として「ハムレット」や「ロメオとジュリエット」の作品を残したシェークスピアがあらわれた。
美術では15世紀初めにネーデルランドのファン・アイク兄弟が活躍した。16世紀には農民の風俗がを描くブリューゲルがあらわれた。スペインではエル・グレコ(グレコとはギリシア人という意味で、彼はギリシアのクレタ島出身であった。)が活躍した。