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世界史演習③(世界史学習の方法と人類の誕生)

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(東京法令「世界史のミュージアム」より)
2 世界史(歴史)学習の方法
1)通史・・・ 世界史を各地域世界に分け、古代から現代までの歴史過程を通して学習する方法である。この学習方法が一般的である、教科書の記述もこの方法を採用している。
2)部門別学習方法・・・世界史をいろいろな部門に分けて学習する方法である。具体的には、宗教史・社会史・文化史・女性史・その他各部門に分けて学習する方法である。この中にはパレスティナ問題はじめとする世界に起こっている民族問題も含まれる。
3人類の誕生
 私は世界史の授業で生徒にとって重要な授業は人類の誕生の学習であると思っている。その理由は、人類は動物の進化の過程で誕生したものであり、私たち現代の人類は、今から10~20万年前にアフリカの黒人女性から生まれたのである。だから人種差別などをすることがも違っていることを確認させることができるからである。
 世界史はもちろん人類の世界史であるが、それでは人類はどのようにして誕生したのであろうか。
1)直立二足歩行
 人類と他の動物とを決定的に区別するところが直立二足歩行であり、その結果、手が解放され道具を使うことが可能となり、人類は独自の文化を創り出すことができたのである。
 道具の使用とともに人類にとって重要な進化は言葉の使用であるが、なぜ人類は言葉を獲得できたのか。その理由は、直立二足歩行によって口腔と咽頭腔が直角になり、咽頭が下に移動したことにより、言葉が可能になったといわれている。しかし、なぜ人類は言葉を必要としたのであろうか、その理由は共同で狩りをするときにより細かい意志の伝達が必要であったからだといわれている。
 さらに人類にとって重要だったのは、火を使用したことである。火の使用は豊富な食物・栄養の吸収が良くなり、脳が発達したのである。
2)人類誕生のなぞ
 人類はなぜ直立二足歩行をはじめたのか、その理由として一般的に知られているのが「サバンナ説」である。アフリカの熱帯雨林が気候の変化により雨量が減少しサバンナとなった。そのために一部の類人猿は樹上生活から降りて草原のサバンナで生活するようになったという説である。
 これに対し、ユニークな説を紹介しよう。それは「アクア説」である。 類人猿から人類への変化が起こった一時期、水中での活動に適した生活を送っていたのではないかとする考え方で、その時期に、水中での二足歩行を行い、泳ぐための直線的な体型を身につけ、人類への一歩を踏み出したのではないかという説である。なぜ人類は他の動物と違って体毛がないのか。人類はなぜ涙を出すのか。それは、海水での生活により、体毛がなくなり、涙を流すことによって体内の塩分を調節したのであるという解釈を「アクア説」はおこなっている。人類誕生のなぞは大変興味深いものである。
2)人類の進化の過程
①猿人(アウストラロピテクス)・・・700万年前にアフリカ大陸に登場
250万年前ころから石器を製作
②原人・・・180万年前にアフリカ大陸に登場
脳が発達し握斧などの石器を製作
約100万年前に猿人に代わり人類の中心となる。
火の使用により寒冷地での生活が可能となりユーラシア大陸の各地へ移動しジャワ原人・北京原人が登場
③旧人(ネアンデルタール人)・・・23万年前に登場、頑丈な体付きで寒冷地に適応し、埋葬の習慣をもっており、精神生活の面でも成長している。
(資料  旧人)
 「旧人が最初に発見されたのはドイツのネアンデルの谷(タール)である。その後、ヨーロッパや西アジア各地で見つかっている。西ヨーロッパではほとんどが洞窟住まいとしていた。体は頑丈で非常に強い筋肉を発達させていた。当時の世界は氷河期にあり、とくに緯度の高いヨーロッパは寒かったはずである。しかしすでに火を使うことを知っていた上に、おそらくは毛皮をまとったりして、寒い環境に適応していった。生業は狩猟が中心で、マンモス、トナカイ、馬、サイその他多くの動物が狩猟の対象となった。
遺体に花を添えていた人骨が発見されており、死者を悼むという精神的な成長の現れである。この遺跡には萎縮してしまった片手の先がない40歳くらいの男性の人骨が発見されている。当時の狩猟経済の中で、40歳まで生きられたということは、そのような障害があっても周りの人に支えられて生きることができる高度な集団生活をしていた証拠である。」  
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(東京法令「世界史のミュージアム」より)
④新人(現生人類)(クロマニヨン人)・・・約4万年前に登場、槍や弓の使用していた。洞窟壁画(ラスコー・アルタミラ)や女性像も見られることは、文化・芸術面でも成長していることがわかる。
(資料 ミトコンドリア=イブ)
 最近の研究では、細胞のミトコンドリアDNAの解析を通じて現生人類の母系をたどっていくと、今日地球上に生息している人類の祖先はいずれも10万年~20万年前にアフリカで生きていた一人の女性にたどり着く。今日の現生人類は、いずれも「ミトコンドリア=イブ」と呼ばれるこの女性の血を引く単一種と考えられている。このような研究の成果によって、新人もまたアフリカから誕生したと考えられる。
by YAMATAKE1949 | 2013-09-19 10:26 | 授業実践