ウクライナ・モルドバ旅行記②(キエフ)
(観光1日目)
私たちのツアーは、予定通り10月8日(火)の午後10時30分頃に関西空港を飛び立ち、トルコのイスタンブールで乗り換え、ウクライナの首都であるキエフ空港に着いたのは現地時間(サマータイムで時差は6時間)の午前7時30分頃であった。キエフの緯度は北緯50度くらいでロンドンとほぼ同じであるが、大陸性気候で夏は暑く40度に達し、冬は寒くマイナス27度になるという。しかし、私たちがキエフに着いたときは思ったより暖かく、防寒具を着用する必要がなかった。
キエフの現地ガイドのスベータさんは、32歳の独身の美しい女性であった。大学で日本語を勉強し、日本に語学留学してきたこともあり日本語はぺらぺらであった。彼女が3歳の時にチェルノブイリの原発の事故にあい南の地方に疎開した。しかし、父親は40代という若さで癌にかかって亡くなったが、放射能汚染が原因であるらしい。
私たちはレストランでの昼食後、緑の屋根が美しいアンドレイ教会を見学した。この教会は、ロシアの女帝エリザヴェータのキエフ来訪を記念して、1794年から建設が始められた。設計はエルミタージュ宮殿など多くのバロック建築を手がけたイタリア人ラストレリによるもので、エレガントな装飾がなされている。教会の名は、約千年前にキエフで最初にキリスト教の伝道をしたとされる聖アンドレイにちなんだものである。
この教会は現在、ウクライナ独立正教会となっているが、ギリシア正教会から広がったもので、教義やその他、ロシア正教会との違いは全くないということである。教会内部にはたくさんのイコン(聖像)があり、信者が熱心にお祈りされていた。
アンドレイ教会は丘の上にあり、そこから見えるドニエプル川は美しかった。私たちは教会からアンドレイ坂と呼ばれるチャーミングな坂を下っていったが、そこには道いっぱいに絵画などの作品が並べられていた。ウクライナの人たちは、家に絵を飾るのが好きであり、このような光景は毎日のことであるらしい。