第1回日本史講座のまとめ① (日本人の祖先)

 記念すべき第1回日本史講座は、2014年7月26日(土)午後2時より、受講者9名で行われました。
  第1章 列島の形成と原始社会
 Ⅰ 旧石器時代の社会
1 日本人の祖先
1) 人類の誕生
 人類は、地質時代の第三紀鮮新世のアフリカに、今から約500万年以上も前に誕生した。なぜ人類は直立二足歩行を始めたのか。
 有力な仮説として、「サバンナ説」がある。それは、アフリカ東部の熱帯雨林が気候の変化により雨量が減少しサバンナとなった。そのために一部の類人猿は樹上生活から降りて草原のサバンナで直立二足歩行の生活をするようになったという説である。しかしこの説では、直立二足歩行へのインパクトが弱すぎる。
 面白い仮説として、「アクア説」がある。それは、類人猿から人類への変化が起こった一時期、水中での活動に適した生活を送っていたのではないかとする説である。その時期に、水中での二足歩行を行い、泳ぐための直線的な体型を身につけ、人類への一歩を踏み出したのではないかという説である。水中生活により体毛がなくなり、また人間に特有の涙は体の塩分を調節するためのものである。さらに、多くの人は海を見ると懐かしく感じるなど、私にはこの説が説得力を持っているように思われるのであるが、研究者にはほとんど相手にされていないらしい。
2) 人類の進化
 人類は、猿人(アウストラロピテクス)、原人(ジャワ原人・北京原人)、旧人(ネアンデルタール人)、新人(クロマニヨン人)へと進化していった。
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(三省堂「日本史B]より)
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(東京書籍「図説日本史」より)
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(東京書籍「図説日本史」より) 
3) 日本列島における人類の痕跡
 日本列島には、旧石器時代のころ人類がいなかったと、日本の考古学界では長い間考えられてきた。しかし、1949年に群馬県の岩宿遺跡の関東ローム層から旧石器が見つかり、旧石器時代の日本列島に人類が生活していたことがわかった。これを発見したのが行商の青年であった相沢忠洋で、彼の著作『岩宿の発見 幻の旧石器を求めて』という本は大変面白かった。これ以後発掘がすすめられ現在では、日本列島に1万4500か所の旧石器時代の遺跡が所在している。
4) 日本の化石人骨
 骨が残りやすい石灰岩の地層から化石人骨が見つかり、静岡県の浜北や沖縄県の港川などでは新人段階の人骨が発見されている。戦前、直良信夫によって発見された「明石原人」は、現在では完新世のものとする説が有力になっている。「明石原人」については、松本清張の短編小説「石の骨」が面白いが、かなり事実とかけ離れているように思われる。
 当時の人々は、小柄で骨太のがっしりした体格で広い額と発達した頬骨を持ち、アジア大陸南方系の古モンゴロイドに属していることがわかってきた。彼らが日本人の祖先と考えられ、その後の環境の変化に適応しながら縄文人となった。
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(東京書籍「図説日本史」より)
5) 日本人の形成
 日本人の形成には三つの説がある。
① 人種交代説… 縄文人より後に渡来した現代日本人の祖先が、縄文人を駆逐し、かわりに彼ら自身やその直系の子孫が日本列島で大部分を占めるようになった。
② 混血説… 日本人の祖先は縄文人であるが、弥生時代以降にアジア大陸から朝鮮半島を経由して渡来してきた人々と、原住の縄文人と混血して、現代日本人の基礎を形づくった。
③ 移行説… 現代日本人は旧石器時代人・縄文時代人の直系の子孫であり、長い間の環境の変化により身体的特徴を変化させ、現代人にいたった。
 以上の説のなかで、③の移行説は、現代の研究では完全に間違っている。「岩波講座 日本通史 第一巻」の「埴原和郎 日本人の形成」という論文はDNAの研究を踏まえた新しい研究で大変面白かった。この論文によると、①人種交代説と②混血説の折衷案が正しいように私には思われる。
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(東京書籍「図説日本史」より)
 
 
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by YAMATAKE1949 | 2014-07-27 10:44 | 日本史講座 | Comments(2)
Commented by f-nobu at 2014-07-27 19:21 x
早速のまとめ、有難う、日本史も必ず始めがありますね、解らない事が解っていく、楽しいですね、よろしくお願いします。
Commented by YAMATAKE1949 at 2014-07-29 09:31
コメントありがとうございます。いよいよ日本史講座が始まりました。講座は永くなりますがよろしくお願いします。