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第25回日本史講座まとめ④(倭寇)

 Ⅲ 東アジアとの交流
1 倭寇
1) 中国・朝鮮との交流(13世紀~14世紀)
 日本と中国・朝鮮との交流は、元寇以後も正式の国交はなかったが、いぜん活発に行われていた。僧侶や商人だけでなく、鎌倉幕府・室町幕府も元と交易し、多くの経典や宋銭・元銭、陶磁器などがもたらされ、それらは日本社会に大きな影響を与えた。
 足利尊氏も1341年には、後醍醐天皇の冥福をいのるために建てようとした天龍寺の造営費用を得る目的で、天竜寺船を元に派遣し、銅銭5000貫を獲得した。これは、1325年に鎌倉幕府が建長寺の再建費調達のため、銅銭3000貫の献上を条件に元に派遣した建長寺船にならったものである。
2) 倭寇
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
 しかし、14世紀なかばの南北朝内乱で生活を乱された九州や瀬戸内海沿岸の武士や商人のなかに、壱岐・対馬・肥前松浦地方などを根拠地に大陸や朝鮮半島の沿岸で人や米などを略奪する海賊行為や密貿易を行う者が現れた。彼らは倭寇とよばれて人々から恐れられた。倭寇は朝鮮や明の人々がよんだ日本人の海賊の名称である。倭寇の活動は、14~15世紀にかけて日本人が中心であった前期倭寇と、16世紀にかけて中国人が中心となる後期倭寇とに分けられている。
by YAMATAKE1949 | 2015-09-17 08:38 | 日本史講座