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第37回日本史講座のまとめ③ (産業の発展)

3 産業の発展
1) 漁業
 これまで上方漁場が中心であったが、17世紀以降は上方漁民が関東・三陸・四国・九州に進出し、遠く蝦夷地方面まで出漁するものもあらわれた。漁場の経営も東北など後進地域では一部の網主や船主が漁業権を持って網子や船子を使っておこなう場合が多かったが、上方や関東では漁民が一様に入会漁業をおこなうところが多くなった。漁獲の方法も網の使用が普及して大量漁獲が可能となり、千葉県の九十九里浜では、地曳網が用いられて鰯をとり、肥料としての干鰯を各地へ送り出した。捕鯨業も17世紀の初めから紀伊・土佐・肥前などでおこなわれ、土佐の鰹(かつお)・蝦夷地の鰊(にしん)・昆布、江戸の海苔なども有名となった。
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(東京書籍「図説日本史」より)
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
2) 製塩業
 塩の需要も高まり、瀬戸内海沿岸では、揚浜(あげはま)法にかわって、遠浅の浜を利用する入浜(いりはま)塩田が開発され、大量の塩がつくられるようになった。
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3) 林業
 都市の発達とともに建築資材や炭・薪の需要が高まった林業では、木曽の檜(ひのき)や秋田の杉などの山林が有名となったが、幕府・諸藩の直轄下におかれたものが多かった。製材用具も、大鋸(おが)にかわって鋸(のこぎり)がつくられ、平板を規格どおりに大量生産できるようになったため、家屋がたやすく建築できるようになった。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
4)鉱業
 鉱業は戦国時代以来、通貨鋳造のため金・銀・銅の需要が高まるにつれて幕府・諸藩は新鉱山の開発に努力し、採掘法・精錬法もかなりの進歩をみせてきた。江戸初期には金銀採掘が特に盛んであったが、佐渡の金山、石見の銀山、但馬生野の銀山、出羽院内の銀山などの産出額はしだいに減少する傾向をみせはじめ、17世紀後半からは銅の採掘が著しい発達をみせるようになり、足尾・別子などで採掘がさかんとなった。鉄は出雲地方の砂鉄が有名で、江戸後期には釜石鉄山も開かれた。鉄生産では、たたらによる製鉄技術が進歩し、中国地方では千歯扱や備中鍬などの農具や、鍋などの日用品の生産地として栄えた。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
by YAMATAKE1949 | 2016-06-07 10:30 | 日本史講座