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第56回日本史講座のまとめ④(労働組合の結成と初期社会主義)

5 労働組合の結成と初期社会主義
1)労働組合の結成
 日清戦争以前には労働者の意識は低く、労働運動は本格化しなかった。九州の高島炭鉱で、3000人の坑夫が過酷な労働条件と納屋制度に反対して、1878年には賃上げ要求の坑夫が暴動化して100余人が逮捕された。これが1888年、雑誌「日本人」に取り上げられた高島炭鉱事件である。また、1886年には甲府の雨宮生糸紡績場で、100余名の女工が過酷な労働条件に反対して日本で最初のストライキを起こした。さらに1894年には大阪の天満紡績で大規模なストライキが起こったことなどがこの時期の主な労働問題であった。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
 日清戦争後、労働者の階級的自覚がしだいに高まり、劣悪な労働条件を改善するために団結するようになった。1897年にはアメリカから帰った高野房太郎らが職工義友会を起こし、これに片山潜らが加わって、同年労働組合期成会が結成され、その指導の下に、各地で鉄工組合や日本鉄道矯正会など労働組合が作られ、待遇改善や賃金引き上げを要求する労働争議がしばしばおこるようになっていった。政府はこれに対し、1900年に治安警察法を作り、労働者の団結権・罷業権を制限して労働運動を取り締まった。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
2)社会主義への啓蒙
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
 社会主義の研究と紹介を行っていた片山潜は幸徳秋水・阿部磯雄らとともに、1901年、日本初の社会主義政党である社会民主党を結成し、8時間労働制や普通選挙制を主張した。この正統派治安警察法の適用を受けてその日のうちに活動禁止となった。しかし、1903年、幸徳秋水や堺利彦らは平民社を結成し、日露戦争反対や社会主義をとなえ、社会主義運動はしだいに本格化していった。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)

by YAMATAKE1949 | 2017-04-16 09:23 | 日本史講座