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「階級の発生と国家の形成」をどう教えるか①

(この実践報告は、1981年に行なわれた「歴史教育者協議会」の北海道大会「世界部会」で私が報告したものを、翌年の「歴史地理教育 3月臨時増刊号」に載せられたものであり、私の最初の授業実践報告で、これを書いたのが32歳でした。)
1 はじめに
 私の勤務している学校の現状から説明しよう。進学状況は、三分の二以上の生徒が共通一次を受験し、残りの生徒も有名私立大学に集中している、いわゆる「進学校」である。しかし学校の雰囲気は、いたって自由で、自主・自立の精神を尊重し、受験勉強の締め付けなどはほとんどやっていない。そのせいか、生徒はのんきで、クラブ活動などは活発であるが、遅刻・欠課が多く、勉強の方はあまりやらず、三年生の後半になってから急に焦りだすという始末である。
 世界史の授業は、二年生二単位、三年生二単位合計四単位の履修である。世界史で受験する生徒は各クラス平均7名くらい。二年生・三年生とも授業中はおとなしいが、積極的に学ぼうとする姿勢に欠けている。三年生の授業は、内容が近現代史であるということからも、たいへん楽しいが、共通一次が近づいてくると、世界史を受験する者と、そうでない者との差が現れ、かくれて内職する生徒がでてくるという状況である。「進学校」における教師の悩みは、その教科・科目を受験しない生徒を、いかに惹きつけていくかということだと思う。「進学校」ではあるが、受験のための授業はやっていないし、またその必要もないと思っている。
by YAMATAKE1949 | 2012-02-25 09:23 | 授業実践