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第43回世界史講座のまとめ③(大英帝国の変容とフランス)

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(東京法令「世界史のミュージアム」より)
4 大英帝国の変容とフランス
1)大英帝国の変容
 第一次大戦後のイギリスは、アメリカの債務国になり、植民地でも独立運動がおこるなど、大英帝国の黄金時代は終わりをつげていた。
 私の授業では、ここで現代のイギリスの二大政党をとは何かを生徒に質問するが、ほとんどの生徒は答えられない。正解は保守党と労働党であるが、この頃に自由党に代わって労働党が台頭し、1924年にマクドナルドを首相とする最初の労働党内閣が生まれた。
 また、大戦中、イギリス本国に協力したカナダやオーストラリアなどの自治領は、しだいに自立する傾向をしめした。1931年ウエストミンスター憲章で本国と自治領の地位は対等になり、大英帝国にかえてイギリス連邦と呼ばれるようになった。
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(東京法令「世界史のミュージアム」より)
 一方、独立運動がつづいていたアイルランドでは、北部をのぞいてアイルランド自由国が成立し、イギリスから自治権を得た。その後も完全独立を求める運動がつづき、1937年には独立を達成し、国名をエール共和国に改めた。
2)フランスの変貌
 フランスは、アメリカなどから借りた戦費の返済や国土の復興資金をドイツからの賠償金にたよった。また、ポーランドなど東欧諸国へ接近し、ヴェルサイユ体制のもとでドイツを包囲するとともに、東欧諸国をソ連との緩衝地帯にしようとした。1923年、フランス政府は、ベルギーとともに、ドイツの賠償支払いが遅れたことを口実に、工業地帯のルール地方を占領したが、対ドイツ強硬政策は失敗した。1924年に左派連合政府が成立すると、外相のブリアンは、周辺諸国とロカルノ条約を結び、さらに1928年にはアメリカ国務長官ケロッグと不戦条約を実現させ、ヨーロッパに緊張緩和をもたらした。
by YAMATAKE1949 | 2013-09-17 09:19 | 世界史講座