世界史演習⑯(朝鮮史13)

a0226578_10342246.jpg
(朝鮮総督府)(ハンリム出版社「韓国の歴史」より)
5 日本の植民地支配
1) 武断政治
 併合後、朝鮮総督府がおかれ、初代総督に陸軍大将寺内正毅が就任した。総督は、陸軍大将のなかから選ばれ、天皇に直属し、朝鮮に駐留する日本軍を指揮し、朝鮮の内政全般にわたって絶大な権限を持っていた。この軍人総督のもとで、憲兵と警察を一体化した治安機構である憲兵警察制度が完成された。それは朝鮮に駐留する日本軍憲兵隊の司令官が警務総長を兼ね、各道に配置された憲兵隊の隊長が警視、下士官が警部を兼ねるというもので、義兵闘争など、朝鮮人民の反日運動を抑圧するためにつくられたものであり、このような武力による統治政治を「武断政治」と呼ぶ。
2) 同化政策
 この「武断政治」のなかで、朝鮮人の日本人化を強制する植民地教育がおこなわれた。公立学校では、朝鮮語・漢文の授業時間数は著しく制限され、朝鮮の地理や歴史は教えられず、かわりに日本語と日本の地理や歴史が教えられた。日本人の教師が腰にサーベルをつって教壇に立ち、これを教えた。
 安倍首相は、「アジアへの侵略はなかった」というような発言をして、韓国との外交関係がおかしくなっている。安倍首相は歴史を学んだことはないのか、相手の立場に立つということができないのか。日本の朝鮮支配を逆に置き換えてみてはどうか、日本語を話すことができず、日本の地理や歴史を学ぶことができず、日本人としての尊厳を傷つけられることがどれほどつらいことか。「過去に目を閉ざすものは結局のところ現在にも盲目となります。」という元ドイツの大統領ヴァイゼッカーの有名な演説にもあるように、私たちは過去の歴史を直視して現在を生きなければならない。
3) 土地調査事業
a0226578_10455268.jpg
(三省堂「朝鮮の歴史」より)
 土地調査事業は、1910年から1918年にかけて、土地所有権の確立と地税賦課の整理を目的として実施されたものである。土地所有権は、所有者の申告によって確定するものとされ、調査事業の実務は日本人官憲とそれに保護された地主にゆだねられた。その結果、1918年には、全耕地の半分以上が全農家戸数の3%余の地主に所有され、全農家の8割近くが土地を失った。
 多くの土地が日本人らに払い下げられ、土地を奪われた農民は小作人や流民に転落し、中国東北地方や日本に移住する者も多かった。これが今日の在日韓国・朝鮮人問題の発端となった。なぜ、土地調査事業で農民が土地を失ったのか。調査事業は、農民に自分の土地を自己申告させたが、日本語での面倒な手続きに慣れておらず、場合によっては申告の必要を知らされもしなかった。さらに、申告した土地は取りあげられるという、デマを流したために農民は申告しなかったことや、農民の共有地などが総督府に没収されたことが原因である。
4) 会社令
 1910年12月、朝鮮における会社設立を、すべて総督の許可制とする「会社令」が公布された。そのねらいは、朝鮮における民族資本の形成・発展を抑制して、日本資本を保護し、朝鮮を日本資本主義の食糧・原料供給地として固定化することを意図したものである。
 
[PR]
by YAMATAKE1949 | 2013-10-06 10:39 | 授業実践 | Comments(0)