世界史演習29(キリスト教の歴史②)
前332年、パレスティナはアレクサンドロス大王の支配下に入る。帝国崩壊後、プトレマイオス朝エジプトの支配下に入り、つづいてセレウコス朝シリアの支配に入る。
前1世紀、ローマ帝国の過酷な支配下に入る。イスラエル人たちは、メシア(救世主)を待ち望む。しかし、そのころ、立法の遵守(じゅんしゅ)をきびしく求める立法学者階級であるパリサイ派や保守的な祭司階級であるサドカイ派の勢力が盛んだったので、救いを求める人たちは不安と苦悩のうちにあった。
2 イエスの出現(原始キリスト教)
1)イエスの教え
イエスは、30歳ころに預言者ヨハネの洗礼をうけて、メシアとしての自覚を持った。彼は「時は満ちた、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信ぜよ。」と語り、人々に信仰による希望を説いた。彼はパリサイ派やサドカイ派を批判することになった。
イエス
イエスの正確な生誕地は不明である。ガリラヤの町ナザレで生まれた。と考えている学者も多い。しかし、マタイとルカの福音書では、イエスはベツレヘムで処女マリアから生まれた、とされている。その後、父の手助けをしながら成長したイエスは、30歳のころ、ヨルダン川のほとりで神の国の到来をつげるヨハネから洗礼を受けた。メシアとしての自覚は、このときに生まれたとされている。彼の活動は、新しい宗教をおこすことではなく、神への真の信仰を人々の中によびもどすことであった。
預言者
神の意志(啓示)をさずかり、人々に伝える者のことである。未来の出来事を予言する「予言者」とは、かならずしも同じではない。
福音
良いたより、喜ばしいおとずれ、の意味。英語でgospel。イエス・キリストによる救済の宣教またはその教えをさす。