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第55回世界史講座のまとめ③(南南問題とAALA)

4 南南問題とAALA
1) 南南問題
 経済開発をすすめる発展途上国は、1970年代以降あらたな問題に直面した。先進工業国の企業が多国籍企業として進出すると、途上国の雇用拡大や技術移転がすすんだものの、公害の輸出や資源の乱獲などの問題が生じた。また、途上国のなかでも、経済成長をとげた国や資源のある国とそうでない国との経済格差が広がり、あらたな南南問題が生じた。
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(第一学習社「最新世界史図表」より)
2) 新興工業経済地域
 先進工業国の資本、技術を導入して急速に工業化した新興工業経済地域(NIES)である。このうちメキシコ、ブラジルなどは世界的不況の波にのまれたが、安価な労働力と高い教育水準をもつ韓国、台湾、香港、シンガポールなどアジアNIES諸国も急速に工業化をすすめた。
3) AALA
 アフリカやラテンアメリカの資源のとぼしい国々では、石油危機後、貿易赤字により累積債務がふくらみ、国家の破産状態が深刻になった。また、都市を中心に人口が爆発的に増加するなかで、飢餓や貧困から人々の生命の維持さえ困難な状態が生じた。
 西アジアでは、石油危機後、産油国がオイルマネーを集めて豊かになったが、あらたな対立が生まれた。エジプトのサダト大統領はアメリカに接近して1979年イスラエルと平和条約を結び、経済開放政策をとったが、内外の反発をまねき暗殺された。
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(東京法令「世界史のミュージアム」より)
 次回の第56回世界史講座は、6月14日(土)午後2時より開催します。(5月24日(土)の世界史講座はありませんのでお間違えなく)
by YAMATAKE1949 | 2014-05-13 10:06 | 世界史講座