フランス旅行記⑫ (オンフルール)
私たちは5月28日(水)の午前8時にモン・サン・ミッシェルの対岸にあるホテルを出発し、オンフルールへと向かった。目的地まで約200㎞、バスで約3時間の行程である。
朝もやに煙るモン・サン・ミッシェルに別れを告げ、オンフルールに到着したのは午前11時を過ぎていた。私はこの時点になってカメラの時間設定が日本時間のままであることに気づき、ようやく現地時間に設定した。
オンフルールはセーヌ川がイギリス海峡に注ぐ河口であり、ノルマンディー地方の港町として古くから知られていた。百年戦争では戦略上の重要な場所として恩恵を受けたが、港は数多くの探検者たちの出発地点でもあった。印象派の画家たちはこの港の風景をこよなく愛し、数多くの作品を残した。また、モネに屋外で描くことを教えた印象派のブータンや音楽家の異端児エリック・サティの生まれ故郷である。
この港町で移動式だと思われる回転木馬を見つけた。
オンフルールに着いた頃には少し小雨がぱらついてきた。町を少し歩くと教会が見えてきた。
15世紀頃、百年戦争で破壊された教会を再建する際、資金難のために船大工たちが協力することになり、石造りではなく木造の教会を造るようになった。そのため、屋根の形が左右ともに船底を逆さまにしたような造りになっている。その結果、この教会はフランス最古で最大の木造教会となった。教会の横には、やはり木造の鐘楼が建っている。
この町で1時間ほどのフリータイムがあり、私たちはお土産などを見たりしながら時間を過ごした。
狭い路地にはお土産を売る店がたくさん並んでいた。ここの町も観光客が多かったが、突然観光客だと思われる一団が歌を歌い出した。
合唱団に所属する人達がここに観光に訪れたのか、珍しい光景であった。私はここで3本で1パックとなっているシードルをお土産用に買うことにした。
3本のうち2本がリンゴ酒で1本が洋なし酒であった。
バスが駐車している場所へと戻る途中、ヨットが港から海の方へと出て行くために、橋が上がっていく場面に出くわした。
私たちはヨットが橋を横切るのを待ってやっと橋をわたりバスへと戻った。