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14~16世紀の東アジア(明代中国を中心に)をどう教えるか①

 私は2014年2月25日に、大阪歴教協世界支部会2月例会で、「14~16世紀の東アジア(明代中国を中心に)をどう教えるか」というテーマで発表しましたので、それを報告します。
[授業のねらい]
① 14世紀に成立した明王朝は、宰相の制度を廃止して、官僚組織と軍隊を皇帝が直接支配する皇帝独裁体制を強化したが、そのために里甲制や衛所制を設けたことを理解させる。
② 明王朝は、モンゴル征服王朝を倒した漢民族の王朝であったこと、そのため中華帝国をめざして東南アジアに朝貢貿易を求める「鄭和の遠征」が行われたことを理解させる。
③ 明の時代にモンゴル系のオイラートやタタールの侵入を防ぐために万里の長城を建設したこと。また、南方の沿岸で倭寇の活動が強まったこと、これらを北虜南倭と呼び明が衰える原因となったことを理解させる。
④ 16世紀から商品貨幣経済が発展し、明の時代に銀納制が確立するとともに、社会・経済の発達を背景にして庶民文化が発展したこと。また明の時代にイエズス会の宣教師が活動しヨーロッパ文化がもたらされたことを理解させる。
⑤ ヴェトナムでは、陳朝がモンゴルの侵入を撃退して民族意識が高まり、チュノムと呼ばれる独自の文字を使ったこと。また、明の軍隊を破って黎朝が成立したことを理解させる。
⑥ 朝鮮では15世紀にはハングル文字がつくられたこと。16世紀には李舜臣などの活躍により豊臣秀吉の侵略に対して撃退したことを押さえる。
⑦ 琉球諸島では、15世紀前半に中山王が三つの豪族を統一して琉球王国を成立させたこと。この王国は中継貿易で繁栄し、15世紀は琉球の大交易時代となったことを理解させる。
by YAMATAKE1949 | 2014-08-03 09:21 | 授業実践