第25回日本史講座まとめ⑥(琉球王国の成立)
1) 成立
琉球の国家形成はかなりおくれていたが、14世紀半ば頃に中山(ちゅうざん)・北山(ほくざん)・南山(なんざん)の3王国が成立し、按司(あじ)とよばれる地方豪族がそれぞれ勢力を競っていた。1429年、中山王の尚巴志(しょうはし)が3王国を統一して、首里(しゅり)に王府を置く琉球王国を建設した。
2) 貿易
琉球は、海禁政策をとる明王朝になりかわって東南アジアと交易して、明では入手しづらい産物を明に送り込むという役割を担わされていた。そのため、明からジャンク船を与えられるなど朝貢国のなかでもとくに優遇されていた。琉球は明との朝貢関係を中心にしながらも、東アジアと東南アジアとを結ぶ地理的条件を生かして、日本や朝鮮、ルソンやシャム、スマトラとの交易をさかんにおこない、王国を発展させていった。
足利将軍は琉球王国に対し、「りうきう国」のよ(世)のぬし(主)へ」という宛名の文書を出し、一応外国の君主であることを認めていた。しかし、当時の東アジア世界での外交文書が共通語としていた中国語(漢文)ではなく、日本と琉球との間では日本語が使われるなど、日本と琉球とは文化的な近隣関係があったと考えられている。