第25回日本史講座まとめ⑧(農業の発達)

  第9章 下克上の社会と室町文化
 Ⅰ 産業の発達と民衆
1 農業の発達
1) 稲の品種改良
 鎌倉時代末期から室町時代にかけて、戦乱や自然災害が数多く発生したにも関わらず、農業では、農民らの努力によって稲作を中心に生産が増大した。
 稲の品種改良がすすみ、早稲(わせ)、晩稲(おくて)だけでなく、中稲(なかて)も栽培され、気候に応じて作付けができるようになった。中国から大唐米(だいとうまい)も伝わり、西日本を中心に広まった。大唐米はベトナムのチャンパから伝わったのでチャンパ米ともよばれ、13世紀頃に中国から日本に伝わった。収穫量が多く、虫害や日照りなどにも強い品種で、15世紀には各地に広まった。しかし、粘りけがなく味も淡泊であったため、領主や都市の消費者には人気がなかった。江戸時代には赤米(あかごめ)とよばれて下等品扱いされた。
2) 灌漑施設の整備
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)

 農業で最も必要な水の問題は、用水路や溜池などの灌漑施設の整備によって解決されていった。川や溜池から水をくみ上げるなげつるべや竜骨車(りゅうこつしゃ)などの揚水具(ようすいぐ)も使われるようになった。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)

3) 肥料の改良
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)

 肥料の問題では、鎌倉時代にひきつづいて刈敷(かりしき)や草木灰(そうもくかい)が用いられたほか、人糞尿(じんぷんにょう)や厩肥(きゅうひ)なども広く用いられるようになった。
4) 農具の発達
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)

 農具も鋤(すき)・鍬(くわ)・鎌(かま)などが広く流通して手に入りやすくなり、上層農民のなかには牛や馬に引かせる犂(からすき)や馬鍬(まぐわ)などを使う者もあらわれた。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)

5)二毛作の普及
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)

 こうして、稲作を中心に生産が増大し、全国的に米と麦などの二毛作が広まった。来日した朝鮮使節の宋希璟(そうきけい)の記録によると、機内では米・麦・蕎麦の三毛作もおこなわれていたという。

 次回の第26回日本史講座は、9月26日(土)午後2時よりおこなう予定です。
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by YAMATAKE1949 | 2015-09-21 09:31 | 日本史講座 | Comments(0)