ベネルクス3国旅行記15 (アントワープ③)

 次に私たちは現地ガイドの野原さんの案内でルーベンスの『聖母被昇天』を鑑賞した。
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(『聖母被昇天』)
 ガイドブックによると、「すでに400年間主祭壇を飾っているこの印象的な油彩画は大聖堂の守護聖人、聖母マリアに捧げられています。聖母の昇天の場面が描かれていますが、このテーマは教会の伝承から生じたものであって聖書自体に基づいているものではありません。しかしルーベンスがこの祭壇画を制作した1625年、1626年当時には非常に人気のあるテーマでした。
 マリアが石棺を後にし、雲と陽気な天使達に支えられ軽やかに天へと昇っていきます。彼女の髪と衣はゆったりと風になびき、期待に満ちたその目は天に向けられています。左上から大きな天使が2人バラの花冠をマリアに捧げるためにやってきます。下方の残された石棺の周りには12使徒と、伝説によるとマリアの死の床にいたとされる3人の女たちが佇んでいます。
 ルーベンスは何年にもわたり、聖母被昇天のテーマでスケッチや絵画の作製を繰り返していました。それら全ての聖母被昇天は構図に関してはかなり似通っていますが、この絵の輝くような美しさと繊細な光と色の効果のすばらしさはその中でも突出しています。」と書かれている。
 次に私たちはルーベンスの『キリストの降架』を鑑賞した。
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(キリストの降架)
 ガイドブックによると、「『キリストの降架』(1611年~1614)は『キリストの昇架』のわずか数年後に描かれた作品ですが、その作風にはすでに『キリストの昇架』との違いが見られます。明快さが増し、光は柔らかくなっています。人物の動勢はしなやかさを帯び、作品全体より古典的な様式でまとめられています。それでもこの三連祭壇画の壮大さ、崇高さ、効果的な対角線使い、劇的な画面構成はバロックの典型であると言えます。」
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(中央パネル)
「 中央パネルは、8人の人がキリストの体を慎重に十字架からおろしているところです。上部には2人の無名の男、右側にニコデモ、左側にアリマテアのヨセフ、その下にキリストに向かって腕を伸ばす聖母マリア、中央に燃えるように真っ赤な衣裳のヨハネ、下部にクレオファスのマリアとマグダラのマリアがいます。人々はキリストの体を白い帷子(かたびら)(キリストの体、聖体を意味する)で受け止めています。」
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(左側のパネル)
 「『キリストを担う者』というのがこの三連画の共通したテーマです。左側のパネルにはイエスを宿したマリアが、同じく妊娠している従姉のエリザベートを訪問する場面が描かれています。このときエリザベートの胎内で宿っていたのがのちの洗礼者ヨハネです。二人はそれぞれの夫ヨセフとザカリアに付き添われています。」
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(右側のパネル)
 「右側のパネルはマリアが小さなイエスを高位聖職者シメオンの前にひざまずいています。ヨセフが手にいけにえの鳩を持ちシメオンの前にひざまずいています。」と書かれている。
 ガイドブックに「大聖堂の翼廊と身廊の交差部に『祝福の塔』と呼ばれる塔の43mの位置に円形の絵画が見えます。」と書かれているが、確かに天井に絵画が見えた。
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(『聖母被昇天』)
 ガイドブックによるとこの絵画はコルネーリス・シュフットが描いた『聖母被昇天』である。「うずまくような多数の天使達に囲まれ、輝かしい光を浴びて天へと昇っていくマリアが描かれています。マリアはもう少しで、父なる神と神の子キリストのもとへたどり着きます。」と書かれている。
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(大聖堂の立派なファサード)
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(大聖堂の二つの塔 塔の高さの違いがよくわかる)
 大聖堂のそばに「フランダースの犬」の絵が祈念碑として置かれていた。
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(フランダースの犬の絵)
 日本で人気があった「フランダースの犬」の主人公の少年ネロは、大聖堂のルーベンスの絵画を見ることが夢であったことから、日本人向けにこの祈念碑が置かれたのであろう。ガイドの野原さんによると、ベルギーのほとんどの人は「フランダースの犬」という小説を知らず、日本の観光客によって始めて知ったとのことである。
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(ノートルダム大聖堂の前に立つルーベンス)
 大聖堂の見学後、私たちはアントワープの市庁舎を訪れた。
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(アントワープの市庁舎)
 この建物は1561年~1565年にかけてルネサンス様式で建てられたものである。市庁舎の前の広場中央には、ブラボーの像が付いた噴水があった。
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(ブラボー像の噴水)
 ブラボーとはベルギーの伝説上の古代ローマの兵士である。スヘルド川の川岸の城に住む巨人は、城付近を通り過ぎる船に通行料を求め、それに応じない者に対しては、その手を切り落として河へ放り捨てた。しかし、ついにブラボーが巨人の息の根を止め、その手を切り落として河へ投げ捨てたという。アントワープの名前の由来は、手(アント)を投げ捨てる(ウエルペン)からきているといわれている。
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by YAMATAKE1949 | 2016-05-12 12:06 | 旅行記 | Comments(0)