第40回日本史講座のまとめ③ (名産品の登場)

4 名産品の登場
1) 名産品の登場
 商品経済が活発になるにつれて、江戸の株仲間らの経済力が向上し、大坂から大量の下り物と呼ばれる高級な商品がもたらされた。また全国各地で生産される特産物が人気をよび、名産品としてもてはやされた。こうしたなかで、各地の名産品の生産現場を図解入りで分かりやすく紹介した『日本山海名産図絵』が刊行され、多くの人々に読まれるようになった。
① 木綿
 木綿では、九州・瀬戸内・畿内・東海に特産地が生まれ、河内木綿・尾張木綿・久留米絣(くるめがすり)・小倉絣などが有名となった。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より)
② 絹
 綿花栽培に不適な寒冷な信濃(しなの)・上野(こうづけ)・陸奥南部には養蚕・製糸業がおこり、生糸の国内需要をまかなえるほどになった。また、京都西陣から高機(たかばた)の技術を導入した地域では、複雑な文様を織ることが可能になり、地方色ゆたかな桐生(きりゅう)絹・足利絹や丹後縮緬(たんごちりめん)が有名になった。
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(三省堂「日本史B」より)
③ 麻
 麻も青苧(あおそ)と呼ばれる出羽南部産の良質な原料が越後にもたらされ、伝統的な技法に改良を加えて、清涼感ある肌触りの越後縮(ちぢみ)が夏の衣料となり、人々に喜ばれた。
④ 染料
 織物業の発達と友禅染など染色技術の普及は、染料生産の増大をうながし、紺色用の阿波藍(あわあい)と朱色用の出羽の最上紅花は品質の良さで人気をえた。
⑤ 磁器
 このころ、尾張瀬戸(せと)の庶民向けの磁器は瀬戸物と呼ばれて焼き物の代名詞になるほどの普及を見た。
⑥ 酒
 酒造業では、伝統的な摂津の伊丹や池田のほかに水車を使って精米し、良質の酒の大量生産を実現した同じ摂津の灘の酒は、樽廻船によって江戸へ運ばれ、灘の生一本と呼ばれて人気をはくした。
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(三省堂「日本史B」より)
2) 生産形態の変化
 需要の増大は経営の仕組みを大きく変えさせた。特に木綿織物では、家内工業による小経営に代わって複数の生産者に原料や道具を前貸しして、出来高によって賃金を払い、問屋が製品を引き取るという問屋制家内工業が生まれ、需要の増大に応えるようになった。
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(東京法令「日本史のアーカイブ」より) 
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by YAMATAKE1949 | 2016-06-19 08:05 | 日本史講座 | Comments(0)