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ブルガリア・ルーマニア旅行記8 (リラの僧院②)

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(リラの僧院)
 10世紀に聖イオアン・リルスキーによって創立された小さな僧院は、14世紀になると時の王の庇護のもとで僧院文化が華開いた。特に僧院の発展に大きな役割を果たしたのは領主ステファン・フレリョ・ドラゴヴォルである。彼は現在の修道院がある場所に防衛塔、現在と同じ場所に教会、そして修道士の居住室を建立した。その後、ブルガリアは約500年にわたってオスマン・トルコの支配下に入ったが、この僧院だけは、従来のまま保存された。
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(フレリョの塔)
 パンフレットによると「1833年1月13日に恐ろしい災難が修道院を襲いました。早朝から火事が勃発し、たった数時間で新築の木造建物が焼けてしまいました。助かったのはフレリョの塔とメイン教会の他、石造りだった東ウィングの一部だけです。居住室、食料品、衣服、布団、木製のスプーンでさえ、ことごとく焼けてしまいました。」と書かれている。
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(フレリョの塔)
 「リラの修道院を現在の形に再建できたのは、全国民が努力したおかげです。資金を提供する者がいれば、労働や技術で協力する者もいました。ただの大規模な建設現場ではなく、修道院は民族復興期の真っ最中にあるブルガリア国民の信仰、熱意、希望の焦点となっていました。数百人の建築家、画家、木彫り師などが自らの力を捧げました。」とパンフレットに書かれており、彼らの努力によってこの僧院は1983年に世界遺産に登録された。
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(僧院の北ウィング)
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(聖母誕生教会)
 パンフレットによると、「当時の教会は増えてきた参拝者を収容できなくなっていたため、新しいものを建てることになしました。中庭には2つの教会を同時に建てるほどの場所がなかったので、古い教会を壊すしかありませんでした。泣きながら壊したといいます。現在建つ教会堂は3年かけて(1834~1837年)建てられました。壁画などの内装工事は約40年間かかりました。」と書かれている。
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(教会の拝廊壁画)
 壁画には悪魔や天使がよく描かれている。上の壁画では聖職者の前で真実の告白をしている人の背後には天使がおり、嘘の告白をしている人の背後には悪魔がいることを表している。
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(教会の拝廊壁画)
 上の壁画では妻が夫に何かを飲ませおり、悪魔が喜んでいる様子を表している。
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(拝廊壁画 聖母子像)
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(拝廊壁画 天使と悪魔)
 私たちは教会にはいることができなかったので、パンフレットをスキャンしてその内部を紹介しよう。
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(教会中央のイコノスタシス)
 パンフレットによると、「教会のイコノスタシスは、規模にしても迫力にしても他のすべての装飾にまさるものです。胡蝶の木から造り上げたのは著名なサモコフ派木彫り師アタナス・テラドゥルと弟子です。刻まれた装飾は非常に豪華です。・・・ロココ・バロック、アンピール、ルネッサンスなどの様式の影響が伺えます。空前の精巧さと美しさを誇るこの作品を仕上げるには5年かかり、1858年に『当時手に入った最高純度の金』を施しました。総重量16キロの金箔が使用されたようです。」と書かれている。
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(イコノスタシスの一部と聖イオアン・リルスキーの聖遺物を納めた覆われた棺)
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(教会中央イコノスタシスの道を指す聖母子のイコン)
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(教会 聖ニコラオス礼拝堂に安置された、奇跡を起こす聖イオアン・リルスキーのイコン)



 
 
by YAMATAKE1949 | 2016-10-31 10:10 | 旅行記