第67回日本史講座のまとめ②(戦時経済の進展)

 Ⅱ 戦時体制の強化
1 戦時経済の進展
1)軍事費の増大
 高橋是清蔵相による経済政策によって、赤字国債が増発されたため、インフレーションが進み、しだいに国民生活に影響を与え始めた。高橋蔵相は、軍事費に歯止めをかけるために、これ以上赤字国債を発行できないとしていたが、二・二六事件で彼が暗殺されると、軍事費の歯止めは放棄され、赤字国債が乱発され、軍需中心の財政が作り出されていった。また、軍事機密保持のために使いみちを示す必要のない臨時軍事費特別会計をもうけて、膨大な戦費の調達をはかった。1937年には軍需生産を優先するための軍需工業動員法を発動し、また、輸出入品等臨時措置法・臨時資金調達法などを制定した。こうした一連の政策によって、軍事費の歯止めがなくなったため、政府予算に占める軍事費の割合は著しく増大し、戦時統制経済が一段と強化されることとなった。
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(三省堂「日本史B]より)
2)円ブロック経済圏
 この頃、朝鮮や満州、中国華北地方を一体化した円ブロック経済圏をつくろうとする動きが強まった。1937年には、満州で新興財閥の日産を母体とする満州重工業開発会社などを設立して、重工業の育成をはかり、軍需工業を急速に発展させようとした。しかし国民政府は、アメリカやイギリスなどの支援を受けて、臨時に首都とした重慶を拠点に経済力を蓄えていった。さらに国民政府が統一した通貨は、民衆の支持を受けて広く流通し、日本軍が流通させようとした貨幣の信用は薄く、物資の調達もままならず、目標とした資源も獲得できなかった。そのため、戦争が長期化するにつれて、軍事だけでなく経済でも、日本は不利になり、円ブロック経済圏の建設は名ばかりになった。
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(三省堂「日本史B]より)

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by YAMATAKE1949 | 2017-11-01 09:23 | 日本史講座 | Comments(0)