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3 琉球王国
 14世紀はじめに、豪族が北山・中山・南山王国を確立し、各王国は明に朝貢した。15世紀前半に、中山王が統一し琉球王国が成立した。那覇は中継貿易の拠点となり、15世紀は琉球の大交易時代となった。
 17世紀のはじめ、薩摩藩の島津氏に征服された。薩摩藩は中国との貿易の利益を得るために、琉球王国の体制を残し、明・清の朝貢国として存続した。
4 日本の武家政権
 元寇以後、鎌倉幕府は衰退し、南北朝の動乱を経て室町幕府が成立した。幕府は倭寇の取り締まりを強め、明に朝貢して勘合貿易をおこなった。15世紀には戦国時代に入り、16世紀にはポルトガル人によって鉄砲が伝来した。
 織豊政権を経て17世紀はじめに江戸幕府が成立し、キリシタンの禁止と貿易の独占のために鎖国令が出された。
 朝鮮とは、対馬の宗氏を通じて国交を回復し、朝鮮通信使が来日した。江戸時代に、日本が正式に国交を結んでいたのは朝鮮国だけであり、幕府は朝鮮通信使の接待に莫大な費用を費やしたといわれている。ところで、朝鮮通信使が行なわれたもともとの理由は、秀吉の朝鮮侵略によって、たくさんの朝鮮人が日本に連れてこられたが、このような人たちを朝鮮に連れ戻すというのが最初の任務であった。この時、日本に連行された人たちの中に、陶磁器の技術者がいた。彼らによって有田焼・九谷焼などの日本の陶磁器が始まったのである。
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朝鮮通信使絵巻(長崎県立対馬歴史民俗資料館) 朝鮮は幕末まで日本が唯一正式な外交関係を維持した国で、使節団として来日したのが通信使であった。通信使は1607年から1811年まで12回来日し、その応接に江戸幕府は多額の経費をあてた。この背景には、将軍の権威を高めることと、朝鮮を通して東アジアの国際社会に結び付く意図があった。(東京書籍『新選 世界史B』より)
 Ⅲ 東南アジアの大航海時代
1 海の文明と港市国家
 14世紀、東南アジアの海域には、各種の香辛料や金や銀を求めて、インド、西アジア、ヨーロッパ、中国などから多数の商人が来航した。沿岸や河川に港市が形成された。港市は、海上の東西交易と内陸部を結ぶ接点で、国際交易を基盤とし、後背を支配する国家、港市国家が成立した。
 17世紀までの東南アジアの商業時代のにないてとなった。港市国家の国王は、中国に朝貢貿易をおこない、イスラーム教を受容してムスリム商人を招いた。このようにして現在のインドネシアは、世界で最もイスラーム教徒の多い国となった。
2 マラッカ王国とジャワ・スマトラ
 マレー半島ではマラッカ王国が、明の朝貢国となった。国王がイスラーム教に改宗すると、ムスリム商人をはじめ、各地の商人が来航した。香辛料・陶磁器・絹・綿などの交易で繁栄し、マラッカは、数十の言語が語られる国際交易都市となった。イブン・バツータや鄭和もマラッカ海峡を通って活躍したが、私がこの地を訪れたときに、イブン・バツータや鄭和がここを訪れたという碑が残されていた。
 マラッカ王国は、インド洋交易に進出したポルトガルに滅ぼされた。ムスリム商人たちは、群島部の港に移り、スマトラ島のアチェ王国、ジャワ島のバンテン王国やマタラム王国などが台頭した。これらの国家では、コショウなどの特産品の栽培を推進し、中継品を含め、国際交易によって繁栄した。アラビア文字を用いたマレー語が共通語となり、歴史書や物語が著された。西アジアからウラマー(法学者)やスーフィー(聖者)が往来しモスクや学校が建設され、民衆にイスラーム文化が浸透していった。
3 大陸部の国々
 大陸部では、タイ・ミャンマー人が、平野部に進出し、海外交易と結び付いた国家を建設した。
タイでは、スコータイ朝を併合したアユタヤ朝が、クメール人のアンコール朝を滅ぼし、現在のタイ領にあたる領域を支配した。国王は上座部仏教を保護し、王室貿易や軍隊に中国人や日本人などの外国人を登用して権力を強化した。
 首都アユタヤには、ポルトガルや日本船である朱印船が往来し、日本人町ができ、山田長政は国王の傭兵隊長として重用された。彼はタイ南部のリゴール太守にまで出世したが、王一族に妬まれ、後に毒殺された。
 ミャンマー(ビルマ)ではトゥングー朝が全土を統一し、イギリスやオランダとの交易によって繁栄をむかえた。18世紀に成立したコンバウン朝は、アユタヤ朝を滅ぼし、清朝を撃退して領土を拡大した。
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上の図は、タイの日本人傭兵隊、17世紀のはじめ頃、タイの首都には1500人以上の日本人が居住していたといわれる。
下の絵は、朱印船で、渡航許可(朱印状)をもった日本の貿易船。東南アジアなどで交易を行った。
(東京書籍『新選 世界史B』より)
# by YAMATAKE1949 | 2012-06-11 06:25